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永田信先生の『林政学講義』(東大出版会)、じわじわと好評、ハングル訳も(!?) [研究室メンバー]

東大出版会から2015年末に出版された『林政学講義』は、おかげさまで好評で、出版会のご担当によれば、売れ行き好調とのお話です。
学術誌や業界誌の書評、展望論文での引用・紹介のほか、SNSなどネット上での好意的な批評も目につきます。あちこちのゼミなどでも採用していただいているようで、それも、森林関係の分野に限らないようです。
Yale大では二部門経済発展論の近代日本農業への適用という実証研究でPh.Dを取得され、北大では経済学部で教鞭をとっておられた永田先生が、公共経済学の切り口から林政というものを見るとどうなるか、という立ち位置で書かれています。このおもしろさは、この分野で勉強している人間にとってはある程度わかるのですが、たとえば外部経済の内部化に関する「コースの定理」(第11講参照)1つをとっても、森林の場合、そのもたらす用益と用益の受益者の多様性により権利のありようが複雑であることから、学問的にみて非常に興味深い応用分野となっていることが浮き彫りになるわけです。少なくともそういう読み方が可能であり、また、本来カネ儲けのための学問ではない経済学の奥深さが、森林や林業というフィールドの上に投影されて、よくわかるように書かれている本です。
こうしたおもしろさがジワジワと理解されつつあるのだと、弟子の一人として思います。
海外にも反響は拡がりつつあり、ハングル訳が出る日も遠くないようです。韓国も、林政学や環境経済学がさかんな国であり、かつ、土地制度には日本と共通した面もあるようで、欧州の林政学や米国の森林経済学などの翻訳とはひと味違った意義があるのでしょう。今後の展開が楽しみでなりません(f)。
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